「顧客のデータを見ながら、過去の問い合わせ履歴も確認したいな……」 そう思ったとき、わざわざ別のアプリを開いて、検索窓に顧客名を入れて、カチカチクリックして探していませんか?
それ、効率化できます!
kintoneの「関連レコード表示機能」を使えば、あなたが1歩も動かなくても、画面に必要なデータが勝手に集まってきます。今回は、初心者が知っておくと便利な「関連レコード」の使い方と癖をお届けします!
関連レコードを一言でいうと、「あなたが今見ているページに関連するデータを、別のアプリ(または同じアプリ内)から参照表示する 」機能です。
例えば、あなたが「顧客管理アプリ」で【A社】のレコードを開いたとします。 あなたが何も言わなくても以下の関連データを同じ画面に開いてくれます。
A社の過去のクレーム履歴一覧
A社の今月の売上データ
別の担当者が動いてる案件の進捗
これが「関連レコード」の機能です。これを使えば、画面をあちこち移動するストレスから解放されます。
「それ、ルックアップと何が違うの?」って思いますよね。ここ、初心者が一番ごっちゃになるところです。
ルックアップは「コピー」
ハンコをポンッと押すように、その瞬間のデータを自分のアプリに「複製」して保存します。
関連レコードは「望遠鏡」
データは向こうのアプリに置いたまま。「今どうなってるかな?」とリアルタイムで眺めている状態です。なので、向こうのデータが更新されたら、こちらの表示も自動で最新のものに変わります。
便利な関連レコードですが、実はちょっと融通が利かない「不器用な一面」もあります。これを知らないと、「あれ?できないの!?」とつまずくハメに。
① データの「実体」がないから、CSVでダウンロードできない
あくまで望遠鏡を覗いているだけなので、その一覧表をそのままCSVで出力することは標準機能ではできません。
② 「合計いくら?」の自動計算ができない
例えば画面にズラッと過去の売上履歴を並べることはできても、「で、合計いくら?」と合計値や平均値を出すことは、関連レコード単体ではできません。
③ アプリのレコード一覧やグラフには表示されない
トップ画面で一覧で見たい!と思っても、標準機能では詳細画面にしか表示されません。
④ 紐づけの「条件」にできないフィールドがある
以下フィールドをキーにしてデータを繋ぐことはできません。「文字列」や「数値」など、表示するレコードの条件に指定できるフィールドの組み合わせは決まっています。
・ラジオボタン
・ドロップダウン
・チェックボックス
・ユーザー選択
・日付
※上記以外にも、選択したフィールドの種類や組み合わせによっては、キーに指定できない場合があります。
kintoneヘルプページ:[関連レコード一覧]の設定項目[表示するレコードの条件]に指定できるフィールド
⑤ 権限がない人には「ブラックボックス」になる
元アプリへの閲覧権限がない場合、関連レコード部分に「表示されない」「レコード数が0件になる」等の動作になります。
⑥ 「レコード番号」で繋ぐと、後で大惨事になることも
kintoneが自動で振る「1、2、3…」というレコード番号を繋ぎのキーにすると、将来アプリをお引っ越し(データ移行)したときに番号がズレて、データが他人のものとすり替わる設定ミスが起きます。キーは「顧客コード」など自前の値にしましょう!
2章を読んで、「え〜、便利でもできないことも多いのね。やっぱり標準機能だと結構不便なのかな?」とガッカリしたあなた。ここで諦めるのはもったいない!
実はプラグインを入れなくても、標準機能の組み合わせやアイデア次第で、その弱点をサクッと乗り越えられる「裏技」があるんです。
「これなら自分でもできそう!」と思えるテクニックを2つご紹介します。
2章の弱点④で「ドロップダウンやラジオボタンは紐づけ条件に選べない」とお伝えしました。例えば「問い合わせ種別(A・B・C)」のようなドロップダウンフィールドを表示するレコードの条件に設定したくても選択できないんです。
そんなときは、アプリに「文字列(1行)」フィールドを追加し、自動計算機能を使ってラジオボタンの選択内容と連携させましょう。あとは、その「文字列(1行)」フィールドを使って関連レコードの紐づけをすればOKです!
≪設定手順≫
アプリに新しく「文字列(1行)」フィールドを配置
設定画面で「自動計算する」にチェックを入れる
計算式の欄に、連携させたいラジオボタンのフィールドコードを入力して保存
関連レコードの設定画面で、この「文字列(1行)」フィールドを紐づけ条件に指定
①と似ていますが、例えば「日付」と「担当者」の情報が一致するデータだけを呼び出したい、というケース。
標準機能では、「日付」や「ユーザー選択」フィールドも表示するレコードの条件として指定できません。
ここでも「自動計算」を使います。
≪ 設定方法 ≫
1、アプリに新しく「文字列(1行)」フィールドを配置
2、フィールドの設定画面を開き、「自動計算する」にチェックを入れる
3、表示された計算式の入力欄に、 日付(フィールドコード) & 担当者(フィールドコード) と入力
🛠️ 実務でスムーズに動かすためのワンポイント注意点
「日付」を結合すると見た目が変わる?
日付フィールドをそのまま & で結合すると、システム内部の形式(数字の羅列など)に変換されて結合されてしまいます。お互いのアプリで同じ計算式にしていれば紐付け自体は問題なく機能しますが、もし見た目も「2026-06-03山田」のように綺麗に整えたい場合は、DATE_FORMAT 関数を組み合わせるのがおすすめです。
<計算式例>
DATE_FORMAT(日付,"YYYY-MM-dd","Etc/GMT")& 担当者
⚠️ 【超重要】設定したのに動かない?と思ったら
自動計算を使った紐付けを試す際、知っておくべきことは、「過去のレコードには自動で反映されない」という点です。
過去のデータでも関連レコードを正しく表示させたい場合は、以下のいずれかの方法でデータを「再計算(更新)」させる必要があります。
<更新方法>
・件数が少ない場合
自動計算は、画面の『保存』ボタンが押された瞬間にだけ実行するようになっています。そのため件数が少ない場合は、過去のレコードを一度「編集」画面にして、何も変えずにそのまま「保存」するだけで更新できます。
・件数が多い場合
レコード一覧からCSVファイルを書き出し、そのまま「データ一括更新(インポート)」で元のアプリに上書きアップロードする(未入力のまま書き戻すだけで、kintoneが自動計算を全レコードに走らせてくれます)
※新規で登録するレコードは、これから自動でバッチリ反映されるので安心してくださいね!
🚀 まとめ:データが繋がれば、kintoneは「真の相棒」になる!
今、まさに「AI×kintone」の時代が本格的に到来しています。この新しい時代において、関連レコードを使ってアプリ同士のデータを綺麗に繋いでおくことは、未来の働き方をもっと効率よくするための大切な準備になります。
ルックアップや関連レコードで「顧客コード」などの共通キーをバシッと設定しておくだけで、バラバラだった社内の情報が、AIがいつでも活用できる「価値あるデータ基盤」に生まれ変わります。
将来、AIを使ってデータ分析や業務の自動化をするとき、AIは人間のように複数のアプリをいちいち開いて、データを1つずつ確認するような面倒なことはしません。システムがAPI(自動連携)を使って、 自動的に複数のアプリを一瞬で巡回して、必要なデータをまとめて読み解いてくれます。
データが綺麗な場合(顧客コードで統一)
「すべてのアプリが同じ『C001』で繋がっているな」とAIがデータの文脈やコメント欄のやり取りまで理解し、自動で高度な分析やネクストアクションの作成まで行ってくれます。
データがバラバラな場合(手入力での表記ゆれ)
「山田太郎」「山田様」のようにデータがバラバラだと、せっかくの線がブチブチに切れてしまい、優秀なAIもお手上げになってしまいます。
AIは、このように「意味を持ってシステム的に繋がっている綺麗なデータ」が何より大好物なのです。まずは標準機能でデータが自動で繋がる快感を体感し、AI時代をサクッと生き抜く「一歩先のkintoneアプリ」を作っていきましょう!
🎁 kintone学習に活用できるAIアシスタント「レクシンAI」

「関連レコードを設定したのに、うまくデータが表示されない!」 「将来のAI活用を見据えて、どうアプリを繋げばいいか分からない……」そんなときは、kintoneアプリ設計の強力な味方、「レクシンAI for kintone」をぜひ活用してみてください。レクシンAIなら、やりたい業務のメモを読み込ませるだけで、アプリ同士の連携(ルックアップや関連レコード)を見据えたアプリのタタキ台を自動で作成してくれます。
「ドロップダウンを条件にしたい」「複数条件で紐付けたい」といった難しい設計も、AIチャットに「もっとこうしたい」を伝えるだけで、記事で紹介したような最適な裏技や設計パターンを提案してくれます。さらに、標準機能の弱点をカバーするJavaScriptカスタマイズコードを自動生成してくれたり、難しいコードの仕組みを初心者向けに優しく解説してくれる機能も備わっています。
AIが大好物な「綺麗なデータ構造」のアプリを目指して、まずはレクシンAIの無料お試しプランからスタートしてみませんか?